感性の児童文学 [読書]

親子でどうぞ!
中学受験になんども使用されるこちらの作品。

まずは自分で読みましたが1時間ぐらいでサラッと読めてしまいます。

文章がとても素直で、読みやすい。主人公も3人。3人の視点で違う時間の流れで進んでいく・・・でも中心にあるのは3人で過ごした夏の思い出で・・。

子供達も始めは本のカバーで「面白くなさそう・・」なんて言っていましたがはじめの方だけ読み聞かせてみると、続きを勝手に読んでいました。

小学生高学年ならば十分に読めるし、人物の心情表現もとても勉強になると思いました。
子供の時に読みたかった
音楽・季節・天気
がとっても効果的に使われている。

自分がもっと若いときにこの本を読んでいたら
もっと国語ができる子になったか
全くよさを理解しなかったか
どっちかだろうな。

感性の児童文学
『サマータイム』です。児童文学作品、ということになると思います。
表題作の他に『五月の道しるべ』『九月の雨』『ホワイト・ピアノ』という続編を収録した連作短編集です。
姉と弟と片腕の少年、という三人の話です。それぞれの短編は春夏秋冬を舞台とし、三人それぞれの視点で語られます。

『佳奈が十二で、ぼくが十一だった夏。どしゃ降りの雨のプール、じたばたもがくような、不思議な泳ぎをする彼に、ぼくは出会った。左腕と父親を失った代わりに、大人びた雰囲気を身につけた彼。そして、ぼくと佳奈。たがいに感電する、不思議な図形。友情じゃなく、もっと特別ななにか。ひりひりして、でも眩しい、あの夏。他者という世界を、素手で発見する一瞬のきらめき。鮮烈なデビュー作。』
というあらすじ紹介からして、センスのきらめく言葉が目をひきます。1ページ本文を読んだだけで、感性溢れる描写力のすばらしさに気づきます。
ストーリー展開の面白さで読ませるタイプではなく、どちらかといえば甘酸っぱい、いや、海ゼリーになぞらえて甘ほろしょっぱい雰囲気重視です。主要登場人物の一人が身体障害者なのですが、変に薄暗い湿っぽさは無く、作品世界の中にしっかりととけ込ませていると感じます。音楽を題材としているので、曲を知っている人ならば更に深く一歩突っ込んで味わえるはずです。
表題作は平成元年の月刊MOE童話大賞受賞作で、実はかなり古い作品なのですが、古さを感じるどころか、作品の中から伝わってくるのは瑞々しい鮮度です。
評価は★4。天秤が感性の方に寄り気味で、物語としての面白さ不足で楽しめない読者もいるであろうと想定してです。
サマータイム
佐藤多佳子
レスポートサック ボストン
タグ:佐藤多佳子
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